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庶民の帽子


今年の3月、NHKで放送されたテレビドラマ「レ・ミゼラブル(2018 イギリス・アメリカ製作)」
イワズモガナ、19世紀初頭~のフランスを舞台に、一人の男の生涯を描いたヴィクトル・ユーゴーの名作です
1本のパンを盗んだことがきっかけで、19年間もの監獄生活から、再度罪、逃亡、脱獄
そして、まあいろいろあって聖人として生涯を終えるジャン・ヴァルジャンという男の物語
歴史的背景は、ナポレオン没後、王政が復活し、王政打倒のため市民が暴動をおこす1815~30年代頃…
と、ドラマの内容はさておき
作中の人物たちのコスチューム!帽子!!コスチューム!!!
そのクウォリティーの高さは、あの有名コスチュームドラマ「ダウントンアビー」にも負けずとも劣らずでは?
そしてちょいちょい目にする庶民が被っている帽子!
この庶民の帽子(敬称)を再現してみました
漁師や海の男たちが好んで愛用する、所謂「マリンキャップ」によく似たデザイン
細かいギャザーによる程よい丸みと、主張しすぎない程度の大振りなフォルムは
後に登場するフラットハット(一枚天井、一枚剥ぎキャスケット)に通ずるものがあるような気がします

まずは永遠のアイドル生地
デニムリネンインディゴコットンシャンブレー
横倒しも良し、後ろ倒しも良し
お洒落な「やさぐれ感」を愉しんでみては?


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しかし、ドラマ終盤の王政と市民の戦いの場面…
まさに命がけで自由を勝ち取りに行く
フランス革命から沸き上がった「自由・平等・博愛」の精神
ワタクシが、フランスという国にちょっとだけ接する機会が多いということもあるかと思いますが
おそらくどの国よりも権利を主張するフランス人の気質(DNA)が頷けるような、そんな内容でした


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格式高き「黒」


そういえば今日は成人の日
今年も式用に蝶ネクタイを、ドレスをと、衣装を探しに来られた若人達がチラホラ
一生に一度の日に、当店で衣装を選んで頂きうれしい限りです

さて、ブラックフォーマルという言葉がありますが
社交の場での紳士の服装が黒に統一されたのは19世紀半ば頃のイギリス
長い服飾史のなかで、意外と歴史は浅いのです
昼の正礼装はフロックコート(20世紀になるとモーニングコートが主流)
夜の正礼装は燕尾服に白のベストと蝶ネクタイ、「ホワイト・タイ」と呼ばれる最上級の礼服
そして準礼装にはタキシードに黒いベストと蝶ネクタイ、「ブラック・タイ」とも呼びます
T・P・Oにおける服装の区別
所謂「ドレスコード」はイギリス貴族、上流階級により確立された格式の高い服装のルールです

今回はタキシードのご紹介
黒の蝶ネクタイを使っておらず、「ブラック・タイ」とは言えませんがご勘弁を…
タキシードは元々は部屋着の類で、夜会の後にタバコを吸ったり談笑したりと
くつろぎの場で羽織る「スモーキング」と呼ばれる上着(ガウン)でした
フランスではタキシードのことをスモーキングと呼んでおり
タキシードの歴史を知るまでは、何を言ってるのかよくわからなかった記憶があります


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1933年製のタキシード(上着)、そして偶然にも別の蚤の市で見つけた1933年製のタキシード用パンツ
同じ体系の方が着ていたのではないかというサイジング
ネームが同じだったら運命を感じずにはいられない奇跡ではありますが、さすがに持ち主は別々でした
タキシードジャケットの詳細はコチラ
タキシード用パンツの詳細はコチラ
ドレスシャツの詳細はコチラ

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カフリンクスの詳細はコチラ
ネクタイバーの詳細はコチラ
カラーバーの詳細はコチラ
共布のネクタイ・ポケットチーフのセットも売り物です

お店を開業するにあたり、初めて買い付けとして行ったパリで出会ったアンティークのフロックコート
体に綺麗にフィットするエレガントなフォルムに魅了され、地道に集め始めました
もちろん当初は知識も浅く、どのような場で着られていたのかもわからず
特殊なだけに、はたして受け入れてくれる奇特な紳士はいるのだろうかと結構不安
お客さんからも、「こういうの売れるんですか?」と良く言われたり…
しかし、石の上に何年、塵も積もればなんとやら
Pearlは今年で15周年
フロックコート、燕尾服、タキシードやモーニングコート、それに必要とするアクセサリー等
ブレずに集め続けたのがようやく実を結んだのか
イベントやステージの衣装に、友達または自分の結婚式用にと(はたまた普段着にというツワモノも)
全国ツツウラウラの変態さん(敬称)のもとへと受け継がれていきました(皆様ありがとうございます)
これからもブレずに末永く低空飛行していけたらと思う次第デス


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魁!・・・


昼の礼服はモーニングコート
夜は燕尾服
順礼装、略装はタキシードにブラックスーツ
何時、何処に、何故に、所謂TPOにおけるドレスコードですね
今では随分簡略化されておりますが、19世紀のイギリスで衣服の区別が確立し、貴族没落の20世紀初頭頃までが
一番厳格だったのではないでしょうか(もちろん現在でも厳格に区別している社交の場もあります)
学生さんはというと、イワズモガナ、学ランとセーラー服が学生服でもあり礼服でもあります
礼服のいくつかは軍服の歴史と関わる物もあり、セーラー服はもちろん海軍の制服
そしてフロックコートの起源はダブルブレストに立襟のポーランド騎兵隊の服装であり
(19世紀までは、世界各国の軍服の上着は立襟が主流でした)
それがイギリスに伝わり、背広襟のフロックコートという完成系が産まれたというわけです
嗚呼、、、立襟、初めて学ランを着た時、首周りが太めのワタクシは随分あの襟に悩まされたものです

礼服と軍服という前置きを踏まえ
妖しく、神秘的で、そして力強さと色気をかね揃えたコスチュームのご紹介です
1864年、ワシントンで結成された秘密結社、ピティアス騎士団(Knights of Pythias)のユニフォーム
フロント9個のチェンジボタンに立ち襟のお姿は、まさにエレガントな長ラン
軍服をソースとしたデザインは重厚感に溢れております

ピティアス騎士団ユニフォームの詳細はコチラ
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少年時代に週間ジャンプを愛読していた40過ぎのオッサンたちには分かってもらえるか?
このやりすぎ感あふれる学生服のようなフォルムはまさに男塾!


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古い歴史の中で、裏から世界を動かしてきたといわれるのが秘密結社
中には宇宙人、もしくは宇宙人との混血もメンバーに・・・という都市伝説もありますね
ワタクシ、UFO見たことあるので、地球外生物の存在は信じております
ワタクシ、幼少期に宇宙人らしき生物を見た記憶がはっきりあります
(もしかしたらアブダクションされたかも)
でもね、後者の方は皆リアクションに困るんです
まあ
信じるか信じないかはあなたシダイですけどね




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グレート!ブリテン!!


イギリスっ子の3つの特徴
1 天気の話題が好き
2 ファッションに疎い
3 食に疎い
20年ほど前になりましょうか、ワタクシ、イングランドの海沿いの町に9ヶ月ほどステイしておりまして
その時分通っていた学校の、ファンキーな先生(イギリス人)がそのようなことを言っておりました
ファッションに疎い
意外でしたが、たしかにハイセンスなお洒落さんはごく一部で(特にロンドン)
見渡す限り皆、似たような装いをしていたような記憶があります
食に疎い
多分今もでしょう(フィッシュ&チップスは好きです)
天気の話しが好き
まあ、話題の多くは天気かサッカーか、だったような記憶がありますが、今はどうなんでしょうね?

天気の話題はあまり好きではありませんが、今回はイギリスの天候に関係しておりますので暫しお付き合いを
『霧の都ロンドン』といわれるように、とにかくイギリスは霧がよく発生します
なんとも幻想的なネーミングではありますが、19世紀の産業革命から20世紀中頃までは大気汚染だったようです
今では普通の霧で、赤レンガの建物や手入れの行き届いた庭とのマッチングは、それはそれは美しい光景です
濃い霧のなかのバス通学、今まで晴れていたのにいつの間にか小雨など
とにかく天気がよく変わるな、という記憶があります

ロンドンの街を馬車が行きかう時代、防水着といえばキャンバス地にオイルを塗ったコートが主流でしたが
1823年、マッキントッシュにより発明された世界初の防水着、生地の間に溶かしたゴムを塗り、圧縮した
所謂「ゴム引きコート」は、イギリスっ子にはまさに神アイテムだったのではないでしょうか?
この革新的なコートの登場は全英にだけではなくヨーロッパ中を席捲
後に英国上流階級の人々の間では乗馬コートとして人気を博し
その実用性の高さから英国陸軍や英国国有鉄道で採用されました

本日は防水性のあるコート2点ご紹介
マッキントッシュ製ではありませんが、 PYTCHLEY社製(Made in England)のゴム引きコート
ロングコートが似合う大人といえば銭形のとっつぁんか紅の豚か
ステンカラーの域を超えた上品な佇まい、ベルトで縛った綺麗なフォルムはまるでアビエーターコート
重厚感あふれる生地はずっしり重く、そして、、、ゴムくさいです
ボンディングコートの詳細はコチラ
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ゴム引きではありませんが、ゴムのよう…いや、タイヤのチューブのような生地感
ポリスマンや消防士、国鉄など、当時の国営企業に配給されていた防水用コートに似ておりますが
表記がないので、まあ、民間着でしょう
ゴムのような生地だけに、水よく弾きます
できれば雨に濡らしたくない、シックでクールな防水着です
レインコートの詳細はコチラ
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省エネルック



「ディナーやで~!」

「ディナーや、正装に着替えるで!」

「せやけど燕尾服は暑くてかなわんわ~」

艦長「せやっ! シッポ切ったろ!」

時は19世紀後半頃、アメリカ海軍軍艦の中
ディナーでの服装は最礼装の燕尾服、紳士たるもの夜会の場では常にエレガントでという所謂ダンディズム流儀
しかし空調のない真夏の艦内、暑さの極致は耐えがたいものだったのではないでしょうか
こんな暑い中燕尾服なんか着てらんなくねっ?
と艦長、テイルコートのテイル部分を切ってしまったとな
コレが尻尾がない燕尾服、いわゆるメスジャケットの始まりだそうで、後に正式な軍服となったそうです
(メスとはスラングで"メシ"だそうで、艦内の食堂をメスデッキといいます)
16世紀に始まった大航海時代、欧州各国が侵略により植民地を増やしていきました
植民地の多くはベトナムやインドなどの南方の地、まあ、、、暑い国です
そこで生まれたのがコットンやリネンのホワイトメスジャケット
清涼さに加えエレガントさを失わないこの優雅な短ランは夏のフォーマル着として定着
また、上流階級の若者にもリゾートファッションとして大流行したそうな
しかし流行がピークに達し、ホテルマンやウェイター、バンドのユニフォームとして採用され始めると
上流階級から敬遠され、次第にメスジャケットは姿を消していったそうです
支配する側される側、階級意識が特に高かった時代性というものを感じますね
(1920年代終わり頃から1930年代半ば頃までと、流行った期間は短かったようです)

こちらは1930年代初期頃のメスジャケット
売主曰く「植民地で着られていたフォーマルジャケットやで」
当時のフランス領植民地ですと、ベトナム、セネガルあたりでしょうか
エレガントの極みです

メスジャケットの詳細はコチラ
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時代とお国が違って18世紀末頃のイギリス
ジョージ・ジョン・スペンサーという伯爵がこれまた同じようにテイルコートのテイルを切り落としました
これが好評だったのか良くわかりませんが、イートンカレッジの制服となり
「イートンジャケット」もしくは「スペンサージャケット」とも呼ばれました
暑けりゃ切ればいいんじゃね??
ワタクシ、昭和の終わりごろに話題になりました「省エネルック」を思い出しました



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