夢想の時代
2014.04.30
日本列島は目下、「黄金週間」なるものの真っ只中、、、
世間様の仰る所謂”こよみ通り”の休日からかけ離れた 気儘な暮らしを永年しておりますと、
うっかりすれば八兵衛さんのやふに、一時間長い平日時間まで営業しさふになったり致します
ところで、近代文化の黄金時代といへば 1930年代を浮かべる方も多いことでせふ…
第一次・第二次大戦の狭間であり、世界恐慌といった暗い世相に包まれながらも文化は爛熟し
人々が「ファンテジック」:夢想的であれたのはなにゆへか、、、
今宵は、そんな時代の産んだ装飾品から「文化の黄金期」の背景に迫ってみたいと存じます
「大きいことはよいことだ」を発展スローガンに掲げるも、失業者数が800万人を超える皮肉…
諸悪の元凶ゆへ、とされた悪夢の禁酒法時代に突入した亜米利加は極端な例としても、
経済・農業ともに不毛に陥った世界の羅針盤は不安定な方角を指していました
「大学は出たけれど」 わが日本国でもそんな流行語まで生まれるほど不況にあえいだ時代…
町の辻辻にあふれる失業者、その中から路上生活をする浮浪者も多数出現しだすと、
薄汚れた身なりから、ドイツ語のぼろ布にちなみ 今では蔑称とされるルンペンと呼ばれました

一方で「持つものと持たざるもの」の格差は日々拡大… 上流階級ではこれまでの生活を守り続け、
新興勢力の中産階級は人生の贅沢を謳歌し、どうにか職を持つ層はビッグバンドの演奏に酔いしれます
全盛期を迎えた映画界からは綺羅星の如くスタアが誕生…現実を忘れる夢物語に庶民は熱狂し、
ラヂオから流れる陽気なスウィングのリズムが 疲弊した人々の心をとらえました
町ではレヴューにキャバレーといった享楽場が 不況をものともせず押すな押すなの大盛況、
政府を皮肉った寸劇がお色気交じりに演じられ、日々の鬱憤が晴らされるのでありました
のち、30年代後半になると戦火も迫り 各国では国威発揚のプロパガンダが文化に影を落とします
『1930's』 『別冊一億人の昭和史 1930年恐慌と軍拡のはざまで』一部参照
そんな時代背景を浮かべつつ これからご紹介するファンテジックな装飾品を眺めてみますと、
どこか不可思議でいて複雑かつユニイクな、30年代前後の時代の馨りがしてくるやふであります

お庭いじりは、かつての一般婦女子の密かなる愉しみのひとつであったことでせふ
花や果物かごは、30年代によくみられる 慎ましやかな女性を表現した流行モティーフ
下のバスケットブローチの詳細はコチラ・・・

ニードルポイントの細かい薔薇柄のパラソルにハンドバッグを提げて、、
心躍るお出かけ支度、といった夢物語が伝わるやふな 精巧なるつくりのブローチ
傘のブローチの詳細はコチラ・・・

新郎はマルカジットの蝶ネクタイ、新婦は珊瑚のやふな質感の花束を抱えて…
相良直美女史「世界は二人のために」を思わず口ずさんでしまいそな婚礼写真
花束のブローチの詳細はコチラ・・・

おイタは駄目ヨ、、フレンチカンカン娘の堪忍袋の緒が切れぬうちにその手を下げて
オールドプラスティックの黒き手には真紅の指輪に腕輪が妖しく輝くのでありました
手のブローチの詳細はコチラ・・・
先の見えない不況への漠然たる不安、迫りくる戦火の足音に怯えつつも
人々はどうにか日々の暮らしを支え 家族を守ろうとしたことでありませふ
恐怖下に置かれるほど人は自衛本能が働くとも申しますが、究極の精神状態の中…
まるで脳内快感ホルモンが分泌されるかのやふに 人々は一時の夢をみた、のでせふか
あるいは成熟した大人の文化の灯火が 消える前に一度ポッと大きく点ったのかもしれません
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