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第二の皮膚



おかしな気候の続いた本夏も いよいよ終わりを告げやふとしております



朝晩がぐんと涼しくなり 真珠の店内も深みのある秋色へと色付き始めておりますが 

長く外国の古物を見ていると、時折おやと首をかしげる洋服に出逢うことがしばしば・・・


その典型が、半袖のカシミアニット 純毛の袖なしワンピース等でありまして

高温多湿な我が国では考えられない不可思議な素材と形状の組みあわせも、

亜米利加や欧州一部の 湿度の低いカラッとした短き夏を思えば、誠に納得・・・

つまり、通年で着てよしとされる素材が、四季のはっきりした我が国よりはるかに多いのです



はてさて、お洒落だが難易度の高い洋服たちを我が国でうまく着こなすには、、、

一つのご提案として 上質な素材のものを選び 晴れ着として装うのは如何でせふか




カシミアの半袖ニットは 真珠の付襟等を組み合わせれば 屋内での茶会にもってこいですし

純毛の袖なしワンピイスは コサアジュやロンググローブと着用するだけで大層華やかに!

その際たるものが 今宵ご紹介するヴェルヴェット使いが美しい半袖ドレスであります



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late30's~early40's ヴェルヴェットの半袖ドレスで微笑むレディ
鈍い光沢が皮膚にしっとりとまとわりつき えもいわれぬ色香





ビロードとも呼ばれる 深い光沢と滑らかな手触りを持つヴェルヴェット(英: velvet)・・・

レーヨンや絹糸で織られるのが一般的であるため、美しく縫製するには高等技術が必要とのこと

そのため、かつてもフォーマルドレスや高級カーテンなどに用いられる贅沢素材でありました

近年は、ストレッチ性のある比較的安価なベロアも類似品として用いられていますが、

やはり50年代以前のヴェルヴェットの肉厚さ 皮膚の感触を思わせる滑らかさは格別!

唄になり、キネマの題名になり・・・ ぬめりのある官能的な肌触りは人々を今も魅了します




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目の醒めるやふな鮮やかなターコイズも、ヴェルヴェット地なら上品ささえ漂います
大胆に開いた50年代らしいバックスタイルには 蝶々が踊るよ
同じくヴェルベット地 淡い桃色の変わりヘッドドレスをあわせ シュールな装いに 
ブルーベルベットドレスの詳細はコチラ…




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スパッと横一文字に開いた首元と 丸く大きく開いた背中が好対照の50年代のドレス
低い腰位置から寄せられた驚愕のひだの数に負けぬは 丸みある線を持つ淑女の特権
リング状のミンクヘッドドレスに鈍い金色ビーズバッグで、エリザベス・テイラーも真っ青!




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薔薇柄の綿地を囲むは、紅きヴェルヴェット・・・ 典型的な良家の子女的ドレス
同じく50年代のヴェルヴェットヘッドドレスに 真紅の薔薇コサアジュをリフレイン






平素は着心地や扱いやすさから重宝がられる綿素材も 正装の場では少々迫力負け

非日常である晴れの場だからこそ チョイト違った自分に出遭ってみたい・・・

そんな素敵な裏切りに ヴェルヴェットは不思議な魔力を与えてくれます




我が国でも、旬を先取った柄行の着物で装う 粋な文化がかつて御座いました

年に一二度しか袖を通さない とびきりお気に入りの一張羅を所有すること、、、


合理主義最優先のこのご時勢において こんな素敵な贅沢って御座いませふか





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福岡に御座います、フランス中心の
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