異界への入り口
2016.02.23
時には美を・・・ といふことで、
福岡市博物館で開催中の『アール・ヌーヴォーのガラス』展に行って参りました
(以下写真二点は、同展HPより拝借)


アール・ヌーヴォー(仏語で新芸術)については、以前の戯れ事をどうぞ → 世紀末の戯れ
1800年代末~1910年頃にかけ、突如熱病のやふに伝染した「アール・ヌーヴォー」様式、
日本の浮世絵始め中国、中近東など東洋趣味の影響を多分に受けつつ、
西洋独自の解釈も加わり、不可思議で非現実な世界観を持った芸術運動・・・
「北斎漫画」等 遠近なき画法や東洋独自の色使いは衝撃をもって受け止められました
流行源のフランスからスペイン、ベルギーなどへ同時多発的に流行する一方、
ほとんど影響を受けなかったのが、かの大英帝国だと言われます
王室中心に、爵位ある名門家中心の文化を長く築いた国には「異端」と映ったのでせふ
かつて王政をしいたフランスでも、この奇妙な芸術に飛びついたのは新興富裕層でした
自然をモティーフにしつつ、当時最先端の鉄等に硝子や木といった異素材を組合わせる・・・
うどんのやふにウネウネとし、どこかグロテスクなその様に、保守層は首をひねったさふな
妖しき熱病にうかされた世紀末の遺品たちを、今宵はご紹介致しませふ
(WEB SHOPに掲載していないものでも、殆どのものにお値段を付けて御座います・・・
詳しくは、お問い合わせ もしくは店頭にて直接お手にとってご覧下さいマセ)


麦の穂などの草花の間を飛び交うツバメたち・・・ 風流な花鳥紋様
それを金属一色の世界に閉じ込めれば、日本的要素が途端に最先端様式へ
水墨画のやふに清閑な額縁に何を飾るかは… アナタ次第
(アール・ヌーヴォー期の妖精ブローチは既にお客様の元へ旅立ちました)


骨董市で忘れられず 戻って連れ帰ったといふ、運命の硝子香水瓶…
まさに一目惚れ、アール・ヌーヴォーの美しさと毒々しさが同居した危うさよ
イニシャル入りの注文品か、硝子と融合した鉄の植物紋様に色香が匂い立つ


西洋で「エナメル」と呼ばれる七宝焼きも、紀元前中近東でうまれた伝統技術
トルコブルーが鮮やかな小物入れ、家紋風趣向のかんざし共に後世の複製品・・・
アール・ヌーヴォーの強烈な衝撃が再認識された1970年代も 面白き時代なり
この度の展示は硝子中心なれど、東洋西洋の入り乱れるえも言われぬ摩訶不思議さ・・・
その魔力から 筆舌に尽くせぬ愛着と懐かしさを感じるわたくし、
ふと、前世といふものがあるならば アラビア辺りの生まれでなかったかしらん・・・
そんな絵空事につい、思いを馳せてしまふ早春の暮れでありました
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