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奇跡の人形たち



季節外れの30度超えに、すれ違う人々もため息まじりの九月末…

とはいへ朝晩の涼風は心地よく、何処か郷愁を誘う季節となりつつあります




郷愁といへば、当方がおよそ百年以上前の品々等も扱っている故か否か、
中には博物館にでも踏み入るやふに、恐る恐る扉を開ける方もいらっしゃいます


この度は、縁あって当方へ参った品々より、こんなものもありますよといったものを…

さふ、まさに胸がキュウとなるやふな ノスタルジックに満ちた表情の人形をご覧あれ
(スペース上、お出ししていないものもありますので お目当てがない場合は店頭にてお尋ね下さいマセ)



1930年代、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が飼ったことで世界的に流行したテリア犬…
ぬいぐるみをあやしながらも、その唇には紅を…なんとおませなお嬢ちゃんなんでせふ!

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さて、時は戦後復興真っ只中の我が国へと遡ります、、、、

ベビーブームを迎え、日々子どもたちを食べさせるに必死であった1950年代…

日本の職人の手先の器用さと、ちょっとした遊び心がある”奇跡”を呼びました



◇◆ DREAM PETS ◆◇

1950年代、米国の『R.DAKIN & COMPANY』社の創業者:リチャード・デーキンが、
本国で売るための汽車玩具の製作を、日本へ依頼…
試作品が日本から送られてきた際、それを保護する緩衝材として入っていたのが
ユニークで高品質の動物のぬいぐるみであり、これに感銘を受けたデーキンが、
汽車玩具ではなくぬいぐるみ製作を指示したのが所謂”ドリームペッツ”の始まりである



「DREAM PETS」、、、 夢に誘う愛玩 とでも訳したらしっくりきませふか

ドリームペッツについては、以下のブログの著者が詳細をまとめていらっしゃいます
日本生まれアメリカ育ちのドリームペッツって知ってる?



クッション材にまで、趣向を凝らした当時の職人さんたちの心のゆとりときたら!

時を超え、世界中の老若男女をも魅了した原点はそこにあるのでせふか


今宵ご覧頂くのは、ドリームペッツもしくはそれに準ずるぬいぐるみたち…

おがくずをお腹一杯詰め込んで、あなたを夢の世界へと誘います



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こういった表情を、世間様は”ブサ可愛犬”と呼ぶのでせふか・・・
英国の素朴なぬいぐるみにも通づる、ずっと眺めていたい左右非対称顔




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こちらはタグからして、1960年代半ば~頃のドリームペッツか
粋なマドロス帽にパイプがポパイを偲ばせる、タレ眼が眠そなビーグル犬



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困り顔?もしくは照れ顔で、お花をくわえて何処へ行くのかい 狸くん
耳や尻尾にワイヤー入り、ドリームペッツに準ずるぬいぐるみと思われます




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ソファーでまどろむわたくしそっくり、といふ紳士談にちょっとゲンナリ・・・
とはいえ、女体大根のやふな組み足は中々むっちりして愛嬌あるライオン



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唯一紙タグ付きデッドストック、恐らく~60年代初期頃のドリームペッツ
新古品ですので、多少の薄汚れも味のうち・・・今にも瞼がトロリのプードル犬






わたくしの実家に帰ると、子供部屋には妹と色違いのモンチッチが鎮座しております

”モンチッチ”とは猿のぬいぐるみで、指をしゃぶる泣きべそ顔が幼児に大流行したもの
随分添い寝をさせられたやふで、薄汚れながらも当時と同じ愛らしい泣きっ面・・・


そんなものを見るにつけ、今は互いに郷里から遠く離れた妹と 
大喧嘩したり大笑いした幼少期を思い出し、思わず微笑んでしまふのです・・・ 



話さねど、記憶の断片の詰まった人形は 中々捨てられないものなのでせふ 

だからこそ、どの国の蚤の市の片隅にでも必ず、チョコンと佇んで居ります


(サアテ、次のご主人様はどんな方なのかしらン、、、)



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福岡に御座います、フランス中心の
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日々の戯れ言を綴った日記です

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