高貴な半ズボン
2019.01.24
ブリーチズ(Breeches)
はて、聞き慣れない言葉ではないでしょうか?
19世紀以前のヨーロッパ服飾史に精通されてる方はオオっ!とお思いでしょう、この高貴な響きある服飾用語
18世紀、貴族達が着用していた、まさに貴族の為の短いズボンのことで
フランス語でキュロット、日本語では半ズボンに相当する、英国での名称です
フロントはFall Flapと呼ばれるフラップ式で、後ろは絞って調節できるようガゼット仕様
ウエストをタイトにフィットさせることで支え、ベルトループはなくサスペンダーで吊り上げる
(19世紀の変わりめまでは、紳士のほとんどのズボンはこのような仕様になっていたようです)
素材はというとバックスキン、夜の社交界などではシルクと贅沢・豪奢
そう、ブリーチズはまさに貴族の象徴といってもよいでしょう
貴族、富裕層、労働者と身分がはっきりと別れていた時代、男性のズボンは身分を区別する分かりやすい例です
上流階級はブリーチズ、労働者は長ズボン
パンタロン、スラックス、トラウザーズ云々、多々呼び名のある長ズボン
今では当たり前にフォーマルの場での権利を獲得しておりますが、ちょっと昔までは労働階級の服装で
フランス革命期、贅沢な絹は革命の敵とされ、「サン・キュロット(キュロットを履かない人)」と呼ばれる下層民が
長ズボンを履くことで革命の意を表明し、イデオロギーの為に使われたファッションでもあります
そして19世紀に入り、1820年代頃には古臭いということでブリーチズは次第に姿を消していったとさ
ブリーチズ・・・なんて高貴な響きでしょう
キュロット・・・なんて風刺の効いた響きでしょう
半ズボン・・・小学生時代の夏休みを想い出しました



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絵です
足長くないです
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以上2点、おそらく新しくとも20世紀初頭頃
舞台衣装として製作され、古いシアターで使われていたそうです
ピンクのブリーチズの詳細はコチラ
薄茶色のブリーチズの詳細はコチラ
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